富士山登録 県内茶業界に商機
世界遺産「セットでPR」
富士山の世界文化遺産登録を商機に結び付けようと、県内の茶業界で関連商品の開発や販売に向けた機運が高まっている。
リーフ茶需要が伸び悩む中、富士山とセットでPRして消費拡大につなげる狙い。
山頂奉納茶
静岡市茶業振興協議会は27日、同市の両河内、足久保産の手摘み新茶約30キロを山頂の浅間大社奥宮に奉納する。
奉納は5年目。今年は、市内の共同製茶工場などから例年より20人多い55人が登る。
奉納茶は山頂で登山客に配るほか、市内の製茶問屋などが「富士山プレミアム茶」として販売を計画する。
和田長治商店(同市)の和田治夫社長は「静岡茶を全国、世界に発信する絶好の機会」と意気込む。
写真付きパック
ティーバッグ受託製造などの静パック(静岡市)は、煎茶のドリップバッグで富士山の写真を使った限定パッケージ商品を企画した。
自社販売とOEM(相手先ブランドによる生産)供給を行っている。
日本平、三保の海岸、薩埵峠などから撮影した写真10種類を使用。静岡空港や羽田空港で販売され、「海外客などにも評判が良い」(同社)。
県茶業青年団は、団員向けの冷茶販促アイテムとして、富士山をデザインしたTシャツを販売している。デザインは毎年変更しているが、
「今年の売れ行きは上々。県外の取引先でも、世界遺産登録の記念品として人気」(青年団事務局)という。